Mil2です。 久しぶりの更新。

今回は1万円ちょっとの価格帯という、個人的に一番面白い価格帯ながら
評判が良くて非常に気になっていた【SEMKARCH SKC-CNT1】というイヤホンのサンプルを
七福神商事様(@TSH_corporation )からお借りして聴いてみました。


なお、これは七福神商事様のレビュー企画に参加させていただいた形となります。

ですので、購入されたい方はぜひぜひ下記からお願いします。

Yahoo店 : 
Amazon店 : 
Rakuten店 : 
直販:







以下、スペックをコピペ。

◎スペック
– 形式: カナル型
– 構成:イヤホン本体、付属品(複数)
– ドライバー: φ10mmダイナミック型ドライバー1基カーボンナノチューブ 振動膜を採用している事が特徴
– ノズル: 交換可能タイプ標準では2セット(4個)搭載。黒が標準搭載し、金色が付属品に入っております。
– 黒色ノズル: 3kHz~10Khz +2db
– 金色ノズル: 3kHz~10Khz -2db
– 再生周波数:10Hz-26,000Hz
– インピーダンス:32Ω
– 音圧レベル:108dB±1dB
– 入力:5mW
– 歪特性:<0 .2%
– プラグ:3.5mm 3極 接続プラグ (金メッキ)
– コネクタ形状:汎用MMCX
– 本体+標準ケーブルの重量:超軽量(詳細重さ準備中)
– イヤホン本体のみ:超軽量(詳細重さ準備中)
– マイク:非搭載
– リモコン:非搭載
– リケーブル:対応、MMCX 端子搭載
– 本体材質:アルミ合金
– ケーブル:超軽量(詳細重さ準備中)
◎付属品
その1: S/M/L サイズイヤピース各1セット(計6個)
その2: イヤホン保管ケース1個
その3: 交換用ノズル金色1セット2個


こんな感じ。
特筆すべき箇所はまずノズルが2種類付属していることで、音の違いを楽しめることでしょうか。
あとは、MMCX端子なのでリケーブルによる変化の余地もあります。


写真をまとめて ずらら〜っと。

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外箱はビニールでシュリンク包装されていました。
パッケージングや付属品は過不足なく適度な印象です。


付属ケーブルは手触りがゴムっぽく、少し絡まりやすく感じました。
また、耳掛け部分の針金が私の耳には相性が良くないのか、装着させるのがなかなかしっくりきませんでしたが、装着してしまえば問題ありませんでした。
色合いはわりと好みです。



このイヤホンで唯一(?)酷評されがちなハウジング筐体のデザインですが、個人的には
「そんなに言うほど悪くは……ああでも…うーん」てな感じ。
少なくとも嫌いじゃないです。

まぁロゴの配置センスなんかは置いとくとしても、
印字が使っていくうちに取れやしないかな? ということの方が少し不安になりました。


上記スペックで「イヤホン本体のみ:超軽量」と書いてありましたが、
ハウジング筐体を手で持つと、わずかにですがズシッと重みを感じました。
しかし、装着してしまえば重みは気にならず、形状的に装着感は良かったです。



交換用のノズルは色と共に、張ってあるメッシュの細かさも違いますね。
黒よりも金の方が明らかにピッチが細かいです。











さて、肝心の音について。

【試聴環境】
FiiO X5 2nd(FW 2.1)
付属ケーブル
付属イヤーチップ
静かな屋内
エージングは全然していません



音量は取りやすい。

低音域寄り。ただし、低音域命!って感じでもなく全体のバランスは悪くない。
このようなイヤホンでは微妙になりがちな解像感だが、それなりに優れていると思う。

低音域がかなり主張してくるが、他の帯域の邪魔を殆どしない。
ただ、この低音域は減衰が早くないので、低音域同士で音かぶりしやすく感じる。
そのため、細かく隅々まで聴き込んでみればそれなりに性能が高いと感じられるが、曲によっては分かりにくいかもしれない。


全体的に粗がなく、先っぽが丸っこい音。
味付けの濃さなのか機種自体の性能が高いのか、低価格帯のイヤホンでは破綻しやすいような曲でも違和感が少なく聴こえやすい。
というよりも、独特の味付けをして独特の料理に仕上げてくる感じに近い。


そのため、相性の良い曲はジャンルではなく曲ごとに考えたい機種。
正直、実際に聴いてみないと相性が良いのか分からない。
低音重視の曲が向いているかというとわりとそうでもなかったり、また、このイヤホンならではの鳴らし方でこれはこれでアリかな〜と思うこともある。
最初はノリノリな曲なんかは相性良さそうと思ったけど、期待通りだったりそうでもなかったり。


音場の広さはカナル型イヤホンとしては横方向にそれなりに広い。
のっぺりとしておらず、把握しやすく質が良い。
音場が若干ではあるが上下方向にも感じられるのは特筆したいところ。
中低音域が豊富な傾向のため、比較的 音場感や空気感を覚えやすい。

音の鳴らし方に余裕が感じられるので、曲調が早くてもまとまりがよく楽しみやすい。
その余裕さからか 音色によっては音の強弱の変化が比較的分かりやすいが、前述した音の丸っこさのため余韻の質には好みが分かれそう。
声の掠れとかの表現にはあんまり向いてなさそう。
全体的にアクセント重視という印象が強い。




黒ノズルでは高音域の伸びが刺さるか刺さらないかといったもので、個人的にはちょうど良い塩梅。
高音域の響きは空間にはあまり広がらない。
金ノズルよりも音と音の間隔が適切で、把握がしやすい。
ボーカルの表現が綺麗で生き生きとしていて魅力的。また、声が近く感じることが多い。
ハリのあるボーカルの方が合いそうな気がする。
ただ、粗が消されたような表現の質の変化に違和感を覚える人もいるかもしれない。
低音域と高音域に挟まれている感覚が少しある。


金ノズルよりも無難な傾向。それでもこのイヤホン特有の個性はとても感じられる。
様々な曲への対応力としては金よりも優れている印象。
傾向として音数が多かったりごちゃごちゃしているような曲では黒ノズルの方が収まりが良い。
私の好みでは黒ノズルを基準的な音として捉えるべきと感じた。



金ノズルでは全体的に響き成分をほんの少し増強して、中〜中高音域(not高音域)を減らしたような印象で、聴感的に音量調整しようとすると上記帯域以外の音バランスが増加、高音域の伸びも気持ち目立つようになる、というような印象。いわゆるドンシャリ化。

響きが多くなるため音と音の間隔が黒ノズルよりも狭くなり、把握が若干しづらくなる。
これは音の位置的に中心から左右方向へ進むと少し目立った。

他の人のレビューでは見かけた音場の広がりは、残念ながら私には殆ど感じられなかった。
これは聴く人の聴き方(聴きながら音に対してどう意識しているか、追っているか、把握しているか)に因るものだと予想している。

ボーカルの質は焦点が霞んで滲み、言葉は悪いが没個性化してしまった。
ノズルの変更で影響が最も大きいのはボーカルの質だと感じた。
ただし、イヤホン自体の個性を伸ばすという方向性ではあるし、金ノズルを装着した方が良い楽曲もありそう。


私がこの機種を日常的に使うとしたら、
基本は黒ノズルで聴いて、もっとドンシャリで聴きたいのなら金ノズルに交換するっていうパターンで安定しそう。












まとめますが、1万円ちょっとという価格でこのイヤホンは、突出した音の個性が好みと合致さえすればかなり魅力的なものだと思います。
また、好みに合致する人も多いんじゃないかな〜とも思います。


この個性はヘッドホンでいうところのUltrasone PROline2500みたいな立ち位置(音質傾向が、ではなくあくまでも立ち位置)にどことなく似ている気がしてわりと好きなのですが、私の聴き方では残念ながらちょっと常用しにくいです。


具体的には説明できないのですが、さらにもう一つ旨味や面白みみたいなものが欲しいといった感じでした。
思っていた以上に曲との相性が出てきてしまったことが特に惜しいです。
ただ、音の好みも時間が経てば変化することがありますし、あとで思い出して欲しくなるという可能性はわりとありそうです。





このような機会を与えてくださいました七福神商事様(@TSH_corporation )に感謝しております。
本当にありがとうございました。













以下、レビューでまとめるためにいくつか聴いた曲の中で書いたメモを抜粋。
流し聴きしてた時間の方が長かったのでメモをしていた曲が偏ってて少し申し訳ない。
知らなくても曲名でググればどんな曲かは分かるんじゃないかな。




・DAOKO×岡村靖幸「ステップアップLOVE」
低音のアクセントがとても気持ちいい。 
金ノズルでは左右方向の端っこの方に配置されているはずの音が若干聴き取りにくい印象だが、カナル型イヤホンとしては標準的な気もする。
両ノズル共に全体的に違和感なく自然ではあるのだけど、音の濃さがクドく感じることもあった。
全体的に音が近く感じるのが要因かもしれない。



・でんぱ組.inc「サクラあっぱれーしょん」
元気で音数が多く変化も早い、ごちゃごちゃとした現代的な曲で、モニター的な機種や解像感一辺倒な機種で聴くと破綻しやすい曲なのだが、聴き取りにくいとか破綻しているような箇所は少なくとも目立たなかった。ベースの音に合わせてハウジングが若干振動しているようで楽しい。
音が全体的に丸めてあるような印象なので上手くまとまっているのかもしれない。
個人的には黒ノズルの方がボーカルの質が活き、音のバランス的にも相性が良く感じる。
イヤホンに合ってる。



・いとうかなこ「アマデウス」
曲自体に音の数やうねるような響き(倍音成分?)が多いせいか、金ノズルでは濃すぎて相性があまり宜しくなかった。
黒ノズルでも傾向は似てるのだがそれよりも薄く、良い意味で差が大きく思える。
ただ、イヤホンとしての曲の相性はあまり良くないかも。


・marble「水彩キャンディー」
機種によってはボーカルの声の質が潰れたりするのだが、残念ながらこのイヤホンでは若干声質がイマイチな印象。響きが活かされてるような曲との相性はあまり良くないのかなと思ったけど、おそらく音の味付けの相性次第だと思う。



・FATMAN BROTHERS「Class of 1987」
低音多めのある意味ネタな芸能人ラップ曲。
曲調的に相性良いんじゃないかと思ったけど、10点中7点くらいで全然悪くはないが期待したほどではなかった。
Lchでのライドシンバル?が埋もれがちになっているのが妙に気になる。