まずはサークルさんの紹介です。

音声作品で好きなサークルさんはいくつかありますが、その中で個人的評価が急浮上な妄想研究所さんの作品です。
この妄想研究所さんの作品 (現在3作品が発売) は 【実験シリーズ】 と銘打たれていて、ふとしたきっかけで妹に何らかの実験めいたことをやってみたら兄妹関係が変化してしまう〜みたいな内容となってます。
エロド直球な作品がかなり多い音声作品の中では珍しく、少し捻ったことをやっているのが各作品の特徴です。
ちなみに近親相姦に嫌悪感を持つ人は避けた方が無難です。


近親相姦があるっていうことで18禁作品ですが、単純に抜き目的よりは物語を楽しむ比重が高めだと思います。
同人音声作品では有名な MooNSHINeRさん の作品と同じように、最初から最後までストーリーが繋がっているボイスドラマになっているので、そういう物語仕立てな作品が好きな人に向いています。


また、一般的に音声作品では付属している台本にも女性の台詞しか載っていないのが普通ですが、妄想研究所さんの作品に付属している台本では兄(つまり男性側)の台詞も載っています。もちろん兄の音声はありません。感覚としてはグラフィックのないエロゲーと考えると分かり易いかもしれません。ほら、エロゲーって主人公の声は無くて文章のみじゃないですか。
 

通常の音声作品と同様に台本を読まなくても物語を楽しむことは充分できますが、物語への没入度が違ってくると思いますのでエロゲーをやるのと同じような感覚で、付属している台本の台詞を読みながら聴くのをオススメします。
 

SEは有り無しが選べます。
SE自体の質はとても良く、効果的に使われているので有りをオススメします。


ここまでがサークルさんの傾向というか説明。






で、今作の感想。





作品に付属している制作者コメントにて、楽しみ方の指針が書いてあります。
以下、一部抜粋します。

↓↓↓↓↓ここから↓↓↓↓↓

まず「加験者目線」を聴き、自分が実験を行う立場になっていただき、
次に「被験者目線」を聴き、実際に被験者がどのような心境で実験を受けているのかを感じて頂き、
最後に「加験者目線」を聴くことによって、被験者の微妙な反応の理由が事細かに察することができて幸せ、
という三段階を推します。
しかし、「加験者目線」と一括りにしましたが、このストーリーだけでも2時間ありますし、
「被験者目線」に至っては2時間40分を誇ります。
とんでもじゃありませんが、連続三本立てで7時間も聴くなどできっこないと思います。
ですので、自分がリスナーである場合、聴くのは「被験者目線」一本に絞るかと思います。
こちらを聴けば、小説でいう第三者目線に立ってストーリーの全貌を読み取ることができるはずです

↑↑↑↑↑ここまで↑↑↑↑↑



今作は「加験者目線(兄)」と「被害者目線(妹)」にフォルダが分かれており、前者の「加験者目線」では妹の心理描写などが省かれています
先の私の説明で「付属している台本の台詞を読みながら聴くのをオススメします。」と書きましたが、台本には「被験者目線」の全ての描写まで明記されています
なので、指針のとおりに「加験者目線」をまず聴こうとする場合にはまだ台本は読まず、「被験者目線」を聴く段階になってから読む方が良いかもしれません。




今作でも実験がきっかけで兄妹の関係が変化していく描写が違和感なく、妹のセリフの所々に混ざる変化の兆しなども見事です。相変わらずの、良質な日常描写でした。
妹の心理描写は本作は結構なキモであり、指針のとおりに三段階とまではいかなくても
「加験者目線(兄)」→「被害者目線(妹)」
は普通に充分楽しめるんじゃないかと思います。

体験版を聴いて、声や演技に違和感などを覚えなければオススメです。
DLSiteのレビューが的確なので、そちらもどうぞ。
ていうかそのレビュー文章が上手くて書くこと無いんですよね……。







かなりどうでも良い事。
トラック1の4分10秒、脚本では122行目の
「妹027「ぶるぶるぶる。私、悪くない妹だよ。食べないで、食べないで」」
って悪くないスライムが元ネタですよね?違う?
まぁそうであるにしろないにしろ文脈から考えて、セリフの発声で「悪くない」と「妹」の間隔を空けないで滑らかに繋げた方が良かったんじゃないかなぁ……。