(VE)ASURA2.0を購入しました。

【製品詳細: http://www.aliexpress.com/item/Venture-Electronic-VE-ASURA-high-impedance-150-ohms-earbud-earphone/32411358569.html



Venture Electronicsイヤホンのラインナップなどを書き綴っても良いのですが、
こんなところまでアクセスしていただいているということは
ある程度理解されている可能性が高いと思いますので、
その辺は申し訳ありませんが省略します。

尚、分からない方は  ” VE MONK ”  でググれば
日本語で詳細丁寧に解説されてるサイトさんが出てきますので、
そこから追っていけばすぐに分かるかと思います。 










コスパがありえないレベルというイヤホンのMONKで受けた衝撃で
インナーイヤー型イヤホンの可能性に気付かされ、
上位機種であるZEN及びASURAの存在を知りました。

いくつかのレビューを拝見したところMONK程のコスパは望めないものの、
音質は良く、決して期待外れなものではなさそうだということで
どちらかを購入しようと思い立ちました。




当初は最上位機種のZENに心が傾いていましたが、ZENは320Ωという仕様で、
それなりに聴く環境、機器の能力を要求してきそうだなと思いました。

私は開放型ヘッドホンが好きなこともあり、据え置き環境の機器を中心に購入してきたので、
DAPは数世代も前のもの、それも廉価なDAPしか所持していません。
所持しているDAPでは満足に鳴らすことが出来なさそうだと思いました。



また、ASURAの音質傾向はMONKに通ずるところがありそうなこと、
MONKの高域の荒れ具合に不満を持っていたこと、
ZENの方が明らかに人気があり、ASURAのレビューが殆ど無かったこと、
という流れでASURAを購入することに決めました。


さて、そうこうしているうちにASURAが到着しました。







※MONKを基準に比較します。


以下、ASURA2.0(エージングなし)の印象です。

【低域】
MONKよりも大人しいです。
人によっては少なすぎると感じそうな印象です。
硬く、少ないため、個人的には物足りません。




【中域】
MONKよりも主張してきます。
響きが多いせいか若干ブレ気味です。
音の毛先が見えるような繊細さで綺麗ですが、
音同士が絡まり合ってるような、若干制御しきれてないような印象です。




【高域】
MONKよりも綺麗で伸びますが、贅沢を言うと超高域への伸びきり方が若干物足りないです。
MONKで感じていた荒れ方は ”ほぼ” 改善しています。
変に主張する音と隠れてしまう音が混ざっているような印象です。


また、これはMONKでもそうだったのですが……
インナーイヤー型イヤホン共通の特徴なのか、VE機種の特徴なのか判断出来ませんが、
説明が難しい、特有の独特なクセを感じる事があります。
上擦ってしまう、ってわけではないのですが、あまり宜しくない反響の仕方というか……。




【音場】
MONKよりも明らかに広く、閉塞感がないです。
冷静に淡々と鳴らしているような印象も手伝って、外へ伸びていく感覚が分かりやすいです。
MONK以上にイヤホンらしくない開放感です。
ただし、空間全体ではなく横方向へ伸びていく印象の方が強いです。




【その他諸々】
DAPではxDuooX2やGigabeatF21RockBox換装、据え置きではC-2Cで聴き比べましたが、
印象はあまり変わりませんでした。
むしろ、据え置き環境の方がブレ方が若干大きくなったような気もします。

全体的に、性能は悪くないが、若干アンバランスな部分もあり、まとまりがあまり取れていない印象です。
聴き続けても若干の違和感が取れません。


MONKは音の響きが少なくアクセントもしっかりとしており、
音の美味しいところの取捨選択を上手くすることで性能の低さをカバーしており
完成度がとても高いと改めて感じます。


ASURAはMONKよりは性能が上だと判断できます。 ……が。
淡々と鳴らしながら低域の量と高域の伸びが少ないため音量を上げようとすると
混雑したブレ方をした、音の焦点が若干掴みにくい中域が主張してきます。


ちなみにイコライザで低域を盛ると、この中域は若干目立たなくなります。
私は低域について「重低音!」とかそういうのは求めておらず、
他の音をマスクしないで適度に主張してくれる低域が好きなのですが
この時のASURAは量が物足りませんでした。















MONKよりも性能が高いのは分かるものの、コレはコレで不満がある機種だなぁ……
まぁ確かにインナーイヤー型イヤホンとしてはコレでも音は良い方なのかもしれないけど
正直、やっちゃったかな?とも、ちょこ〜っと感じてました。

しかし、これではレビューでも評判は悪い物ではなかったはずだし、
もしかしてエージングで結構変化するんじゃね?という
いわば希望をも含めた考えでエージングを最低でも数十時間することにしました。





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時系列的には、この記事を書き始めた今日。
VE ASURAを使い始めてから、約1週間が経ちました。
仕事で不在の平日昼間に、DAPで鳴らしたまま放置をしてましたので
現状でエージングは50時間程度だと思います。





以下、ASURA2.0(エージング50時間くらい)の印象です。

【低域】
エージング前と比べて増えました。但し、それでもMONKよりは抑えめです。
低域自体の質は良く、自然。但し硬め。
個人的にはこのくらいの量〜もう少し多め、質が好みです。 


【中域】
エージング前と比べてブレがかなり治まり、まとまりが出てきました。
ブレというよりも、自然で順当な音の響きという感じになりました。
響きが多いなと感じる事は稀にありますが、このぐらいが好きな人も多そうな印象です。
かなり自然になりました。 
基本は繊細な質です。 



【高域】
中域のブレが治まったおかげか高域も若干聴き取りやすくなりました。
音の妙な隠れ方もほぼ無くなりました。
質は綺麗なままで安定しています。
贅沢を言えばもう少し超高域まで伸びて欲しいというのもそのままです。

エージング前で書いたインナーイヤー型イヤホン独特のクセ?も目立ちにくくなりました。
インナーイヤー型イヤホンの形状的限界と、
耳の個人差に因るところもありえるのかな、という妄想をしました。



【音場】
高域と同様、中域のブレが治まったおかげか、さらに把握しやすくなりました。
また、把握しやすくなったおかげか縦方向にも広がった気がします。 
冷静に淡々と鳴らしているような印象も手伝って、外へ伸びていく感覚がさらに分かりやすいです。

 


【その他諸々】
聴き疲れはMONKの方が強い印象です。
但しこれは高域の質に因るものなので、これが気にならない人は
同じくらいではないかと思います。



MONKよりも音場が広いおかげで音と音の把握がし易く、低域が抑えめな為、
冷静に淡々と、軽快に余裕を持った鳴らし方をする、高水準に無難な機種になりました。
そうそう、私はこういうのを求めてたんだよ!って感じです。



現状では、余程ノリの良さやリズムを求める場合にはMONK、そうでもないときはASURAですかね。






以前の記事にも書いたのですが、
エージングについての認識は「大幅に変化するものでは無い」でした。
また、機種によっては個性が失われるエージングも経験しているので、期待半分でした。
まさかここまで良い方向に変化するとは……。


ちなみに、体調やら耳の調子やらで音の印象はガラッと変わってしまうものですが、
今回のメモで書いた内容は数日にわたって聴き比べたものなので、おそらく問題ないと思います。




今後はとりあえずエージングをさらに進めてみて、音の変化が有り次第追記していく形にしたいと思います。




(早速追記:3/6 13:26)

すみません、書き忘れました。
エージング無しの状態では据え置き環境での、高出力による音質の恩恵がほぼありませんでしたが、
エージングを進めた状態では据え置き環境で聴いた方が音に安定感が出て良いです。
具体的には、一つ一つの音の微細な描写の不安定さで差が出ます。
安いDAPでは、音量が充分でも音の先端が若干掠れ気味のような印象を受けます。 

出力がしっかりしている環境で聴く場合、重心が安定し、一つ一つの音にも安定感が出てきます。
性能が高いままMONKに近づいていく印象を持ちました。